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2005-10-22

ハンドアックスは助け船、通じなければ仕方ない(肩をすくめる) ハンドアックスは助け船、通じなければ仕方ない(肩をすくめる) - モヒカンダイアリー「アップル通信」 を含むブックマーク はてなブックマーク - ハンドアックスは助け船、通じなければ仕方ない(肩をすくめる) - モヒカンダイアリー「アップル通信」


 ハンドアックスは揚げ足取りではなく、助け船。


 「揚げ足取り」が、「人が思わず挙げてしまった足をつかまえて転ばせる行為」だとすれば、ハンドアックス

「足があがってますよ、転ばないように注意なさってください」

「あ、そこは不安定な足場なので足を下ろすと不安定ですよ」

「霧で見えづらいのですがそっち方向はもう断崖絶壁なので、そっちには足を踏み出さないでください」

 などと、助言を与え、あるいは警告を与える。


 ハンドアックスを投げる人は、投げる度にいちいち「あなたが転ぶと、その痛さを想像して私もつらいのです」だとか「しっかり立っていてくれた方が私も嬉しい」などといちいち言わない。できればエレガントに言おうとする。言及する範囲は限定する。


 ……が、ムラビトモヒカン族の「善意」を鋭く察知して、その善意を憎む。

 憎むのはなぜかというと、〈自分がとらわれている優越感ゲーム*1に相手もとらわれている〉ということを無自覚に信じているからだ。

 少し詳しく見てみる。このときムラビトは、相手の善意を優越感の表れと受け取る。そして、それはすなわち自分が見下されているということだ、とダイレクトに論理展開する。

 この〈「相手の善意=優越感の誇示」との認識→劣等感→怒り〉という展開はあまりに素早く無意識に本人の頭の中で行われるので、しばしば「直感」と呼ばれる*2


 以上の話は、「webやぎの目」の昔の文章を思い出しているうちになんとなく頭に浮かんだ。


 過去のやぎコラム、「六本木 ( 2005.6. 4 Sat 04:53)」というタイトルのコラムを読んでみてほしい。webやぎの目: 2005年06月 アーカイブの、ページ一番下のコラムです。と書いてもお読みにならない人が多いだろうから少し紹介します。

 林さんが昔、Hさんというイギリス人の同僚と六本木を歩いていた。道に迷っている様子の外国人集団に、Hさんが"May I help you?"というような感じで話しかけたという。

すると集団は「うるせえばか」「ちんこ野郎」「死ね」ということを口々に言った。 英語だったけど断片的に聞こえる単語と口調で分かった。助けようとしたらガラの悪い人たちだったのだ。

収まりつかない H さんは、いかにも英語圏の人、という肩をすぼめて手を広げるポーズをした。 いかにもガイジン、ってバカにされるあのポーズだけど、あれだけ救いのない状況では有効だと思った。

*


 まあ色んな角度からこの一件についてものが言えるだろうけど、私が思うに、Hさんはこの事件のあとも困った人を見かけたらやっぱり声をかけただろうと思う。

 ただ、前に懲りているので、かなりおずおずとした感じになるだろう。

 そのおずおずぶりがまた人によっては「話がわからない奴みたいな扱いして馬鹿にしやがって」と激怒の理由になるかもしれない。

 激怒の理由になるかもしれないとわかっていても、Hさんはおずおずと声をかけるだろう。あるいはだまって通り過ぎるようになるのかもしれない。


 林さんのコラムは以前[Web][雑記] 紳助もんだいと対話と問題解決のプロセスの後半、「思い出したこと」という小見出しの後に、「手続きだけで解決するウルトラマン」の話を引用させていただいた。

 林雄司さんは、脱力系Webサイト群の中でも有数の知名度を誇る人気サイトの管理人さんだ。デイリーポータルZのWebマスターでもいらっしゃる、かしこくも貴いおかたであらせられるのだ。控えおろう。

 だけど「手続きだけで解決するウルトラマン」の話といい、肩をすくめざるを得なかったHさんの話といい、林さんが意外とこうしたロジカルで明晰な思考を持っている面は注目されていない気がする。

 もっとも、ロジカルで明晰な思考を持っているからこそああしてユーモラスなコンテンツを提供し続けられるのだろうともいえる。


 話は戻るのだが、イギリス人のHさんというのがじつは「HAYASHIさん」だったらちょっとおもしろい。

*1:ここではさしあたり、「相手より自分の方が優れているという優越感を互いに感じようとして競い合う構図」と定義しておく

*2:脱線するが「直感」は環境型権力によってひどく左右される頼りない代物でもある。関連:「洗脳

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