モヒカンダイアリー「アップル通信」 このページをアンテナに追加 RSSフィード

     夏のひこうき雲のsummercontrail(略して左近)が書いています。

はてなポイントで投げ銭投げ銭リンク設置について

 | 

2005-08-18

メタモヒカンと地べたと対話 メタモヒカンと地べたと対話 - モヒカンダイアリー「アップル通信」 を含むブックマーク はてなブックマーク - メタモヒカンと地べたと対話 - モヒカンダイアリー「アップル通信」

ARTIFACT@ハテナ系 - キーワードコミュニケーションスキル」を書いてみた

http://d.hatena.ne.jp/kanose/20050817/cskill

 コメント欄や同日付けの関連記事も読んで、なんとなく反応して感想みたいなものを書いてみました。この(私の)記事の見出しは自分で読み返してみてつけたものです。


 毛づくろい的なうなずき合いや馴れ合いの技術(共感能力)と「コミュニケーションスキル」を一応概念として区別するならば、コミュニケーションスキルは自分と異なる価値観を持つ人との間でこそ重要となる概念でしょうね。


 また、多様な価値観が存在することを単に許容するだけでなく、対話を行えなければ、それはコミュニケーションスキルが高いとは呼ばないでしょう。

 価値観というのは人と別個に存在しているわけではないので、実際には単に「多様な価値観の持ち主が存在することを許容する」ということに他ならない*1。安易な価値多元主義に陥ると、その辺が見えなくなります。

 多様な価値観の存在を許容していると自分では思っていても、結局自分は(意識しているとしていないとにかかわらず)いずれかの価値観を選択している。誰でも、ある任意の時点を取り出してみれば、ある一つの価値観のみが正しいと思っている(それがAという価値観とBという価値観の奇妙な混合物だったりするけれど)。


 違う価値観の人と対話を行わずに

「別にあなたはそう考えていてもいいよ、私は何も文句は言わないよ、でもその考えは間違ってると私は思うけどね」

「そのうちあなたも成長したらわかるかもしれないしわからないかもしれないね、まあ私が間違ってるかもしれないけど」

 と黙殺するとしたら、それはむしろ自分と相手のどちらのコミュニケーションスキルも未発達のままにとどめるという「悪い」効果を持つ行動様式だと思います。

 中島義道*2のいう『対話のない社会』という感じです。

「対話」のない社会―思いやりと優しさが圧殺するもの (PHP新書)

「対話」のない社会―思いやりと優しさが圧殺するもの (PHP新書)


 そういう意味では、価値観の違いを上空から見下ろして客観的に俯瞰するという(実際には不可能な)行為に終始するよりも、実際のぶつかり合いを通してコミュニケーションの試みを実践していきたいと思っています。このへんはたとえばfinalventさんがブログ時評の団藤さんに歯がゆい思いをなさっているところかなと思いました。私はブログ時評は(トラックバック受けた記事を除いて)ほとんど読んでいないのでよく知りませんが。


 もちろん、実際に純客観的に俯瞰することは困難でも、議論の状況を振り返って見取り図を作ってみようという取り組みには大きな意義があります。上の段落は、(1)自分が客観的な観察者ではありえないということと、(2)見取り図作成だけでは足りないという点に留意しておきたいという意味です(メタモヒカン族的行為それ自体に対する非難の意図はありません)。


 ただし、いつでも実際にぶつかり合った方がいいとは思いません。相手のコミュニケーションスキルの程度を見定めないと、単に「酷評された」「怖い」「自分の考えを押しつけられた」「人の気持ちがよく見えてない人だ」などというような怒りをため込ませるだけになってしまいますし。

 さらにひっくり返します。共感能力は前提として必須だと思いますが(この点で私は真のモヒカン族ではないのかも)、それを常に明示する必要はないし、共感能力を過剰に発揮してしまうと相手と違う意見は何も言えなくなる(「批判能力」は常に隠しておくべきということになってしまう)。実際の対話者との関係で、可能な範囲を常に探りながら対話を試みるべきだと思っています。

 その際、相手のコミュニケーションスキルの程度を最初からあまり低く見積もるのは決して優しさではなく、むしろ相手への侮蔑でしょうね……以上、私のハンドアックスが結果として強すぎた場合についての壮大な言い訳なのでした。

*1:ここはおそらくもっと説明が必要なところでしょうが、面倒なのでとりあえず端折ります

*2ちなみに中島義道は相当なモヒカン族だと思いますね。著書は多いので、興味のある方は安めの新書でもどれか読んでみてください。おいおいご紹介していきたいなとも思っています

 |